第四回EDHカード紹介:《ジェスカイの隆盛/Jeskai Ascendancy》
 稲荷氏のDN(http://9thtailmohumohu.diarynote.jp/)に影響されて、今回から自分もEDHカード紹介の記事を書いてみることにした。今回のテーマがエンチャントだということで、最近愛用している《ジェスカイの隆盛/Jeskai Ascendancy》について書いていこう。

Jeskai Ascendancy / ジェスカイの隆盛 (青)(赤)(白)
エンチャント
あなたがクリーチャーでない呪文を1つ唱えるたび、ターン終了時まで、あなたがコントロールするクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。それらのクリーチャーをアンタップする。
あなたがクリーチャーでない呪文を1つ唱えるたび、あなたはカードを1枚引いてもよい。そうしたなら、カードを1枚捨てる。


☆性能・背景
 タルキール覇王譚(以下KTK)で登場したエンチャント。
 ジェスカイ道を象徴する「果敢」のような誘発条件を持つ能力をふたつ持っているエンチャント。片方は全体強化&アンタップ能力、もう片方はいわゆるルーター能力となっている。
 普通に使えば擬似警戒・パンプアップ・手札入れ替えのエンチャントとして働くが、そんな地味な役割はこのカードには役不足だった。
その真価は、マナクリーチャーおよび軽量ドロースペルと組み合わせて行うチェイン・コンボでこそ発揮されるといえよう。その挙動は、クリーチャーがタップ→アンタップ→タップ→…を繰り返す様から巷では「ジェスカイ体操」と呼ばれ、親しまれているらしい。
 現在すでにスタンダードからヴィンテージまで様々なフォーマットに進出しており、《宝船の巡航/Treasure Cruise》や《時を越えた探索/Dig Through Time》、《包囲サイ/Siege Rhino》などとともに、KTKを象徴するカードのひとつとして知られている。

☆EDHにおける《ジェスカイの隆盛/Jeskai Ascendancy》
 EDHには「固有色」というルールがあり(詳細はwikiで確認して欲しい)、白赤青の三色を固有色として持つこのカードは、4色の伝説のクリーチャーが存在しない以上、赤白青および5色のジェネラルでないとデッキに入れることができない。この段階で、《ジェスカイの隆盛/Jeskai Ascendancy》を採用できるジェネラルはかなり限られてくる。しかし、コンボにほぼ必須とされるマナクリーチャーの大半は緑にいるので、60枚構築のようなジェスカイ体操コンボを目指すのであれば、必然的に5色ジェネラルを使うこととなるだろう。
 とはいえ、5色ジェネラルにも色々な奴がいて、どれを使うべきか迷うこともある(かもしれない)。そんな中で、私が推すのはやはりこいつだ。

Sliver Overlord / スリヴァーの首領 (白)(青)(黒)(赤)(緑)
伝説のクリーチャー — スリヴァー(Sliver) ミュータント(Mutant)
(3):あなたのライブラリーからスリヴァー(Sliver)・カードを1枚探し、それを公開した上であなたの手札に加える。その後あなたのライブラリーを切り直す。
(3):スリヴァー1つを対象とし、そのコントロールを得る。(この効果は永続する。)
7/7


ご存知スリヴァー界トップのひとり、《スリヴァーの首領/Sliver Overlord》だ。こいつは本来EDHにおいては、大量に投入されたスリヴァーを次々と呼び出し、数の暴力や無限コンボで押し切るデッキが主流であろう。しかし今回は首領には脇役に回ってもらわねばならない。ジェスカイ体操におけるこいつの役割はずばり「マナクリーチャー」だ。《宝革スリヴァー/Gemhide Sliver》や《マナ編みスリヴァー/Manaweft Sliver》をサーチすることによって、首領自身もマナクリーチャーとして体操に貢献することができる。《水晶スリヴァー/Crystalline Sliver》を添えれば、ピン除去からも身を守ることができる。非常に器用な体操要員として機能することだろう。

☆ジェスカイ体操の相棒
 ジェスカイ体操において、必要となる要素は2つ。「マナクリーチャー」と「軽量非クリーチャー呪文」だ。しかし、《命運縫い/Fatestitcher》や《宝船の巡航/Treasure Cruise》などを紹介するだけではありきたりなので、ここではその2つの要素から、60枚構築では使われていないものを紹介していこうと思う。
 まずは「マナクリーチャー」から。

Life / 生 (緑)
ソーサリー
ターン終了時まで、あなたがコントロールするすべての土地は1/1のクリーチャーである。それは土地でもある。
Death / 死 (1)(黒)
ソーサリー
あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とし、それを戦場に戻す。あなたはその点数で見たマナ・コストに等しい点数のライフを失う。


 「マナクリーチャーではないじゃないか!!」「《生き埋め/Buried Arive》の記事ではないのか?」読者の皆様はそう思ったことだろう。だが少し落ち着いて話を聞いて欲しい。確かにEDHにおいては《死/Death》のほうが圧倒的に使用頻度が高いことだろう。しかし、今回使うのは《生/Life》のほうだ。《死/Death》の左側に書いてあるフレイバー・テキスト程度にしか見られていないアレだ。
 普通にマナクリーチャーを用意しようとすると、当然ながら《紅蓮地獄/Pyroclasm》や《毒の濁流/Toxic Deluge》などの被害を食らってしまう。《命運縫い/Fatestitcher》はそれを回避することができるが、60枚構築とは違って、EDHではこのカードはデッキに1枚しか投入することができない。この《生/Life》は、それらの全体除去を回避しつつ、十分な量のマナクリーチャーを確保する最高のソリューションとなりうるだろう。(Wisdom Guildなどで検索していただければわかると思うが、この手の「土地を一斉にクリーチャー化するカード」の中で最軽量のカードは、なんと分割カードのこいつなのだ。)
 続いて、「軽量非クリーチャースペル」。

View from Above / 上空からの視界 (1)(青)
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで飛行を得る。あなたが白のパーマネントをコントロールしている場合、上空からの視界をオーナーの手札に戻す。


 効果は「飛行を得る。」それで終わりだ。キャントリップもついていない。本当にただ飛行を得るだけの、リミテッドですら使われるかどうか怪しいインスタントだ。しかし、このカードの本当の役割は、その下のテキストに記されている。そう、このカードは、条件を満たすことで繰り返し使うことができるのだ。白のパーマネントはどこにあるのかって?あるじゃないか、《ジェスカイの隆盛/Jeskai Ascendancy》が!!マナクリーチャー2体(うち1体は青マナを出す必要がある)がいれば、このカードと《ジェスカイの隆盛/Jeskai Ascendancy》だけで無限ルーティング・無限パンプアップを繰り返すことができる。このカードはまさにジェスカイ体操のために生み出された「 一流の体操着」と呼べるだろう。

☆最後に
 他にも《クウィリーオン・ドルイド/Quirion Druid》や《洞察のひらめき/Flash of Insight》《強迫的な捜索/Obsessive Search》など、ジェスカイ体操と相性の良いカードが多数存在するが、ここですべて紹介しきるのはあえてやめておこうと思う。非常に自由度の高いカードなので、既存の概念にとらわれることなく、自分だけのジェスカイ体操 を成し遂げていって欲しい。

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